二度目の「ノルウェイの森」

以前読んだのは確か高校生の頃だった。細かいストーリーは忘れていた。深くて静かで透明感のある印象だった。あの頃は、まだ誰かを真剣に愛したこともなかったけれど、それでも心に何か残る小説だった。

そして今、なぜだか分からないけれど久しぶりに読んでみたくなった。一気に読み終えた後、なにか心が揺さぶられるものがあった。心の一部分が小説に残ったままのような心地がした。

僕はすぐに外へ走りに出かけた。体に負荷をかけて現実を実感する必要があった。だからいつもより長く、速く走った。走っている最中は小説のことを考えたり、考えなかったり。とにかく脳を自動モードにしているような感じで走った。ジョギングから帰ってきて温かいシャワーを頭からたっぷり浴び終えてから、やっとホッと落ち着いた感じがした。

誰だって少なからず心の闇の部分を抱えて生きているものだと思う。赤の他人から見れば好き勝手生きていて悩みなんて全くないんだろう、と思われている(かもしれない)僕にだって闇は内在している。どうしようもなく孤独を覚えた時に「死」について考えることだってある。だからこそ登場人物たちの「死」を含んでいる「生」には強く共感を覚えた。そして、勇気付けられた気もした。現実を生きていくことは大変なことだけど、それでも生者は歩んでいくしかないのだ。主人公のように鈍感で不器用でも、誠実に正直に生きていきたいと思う。

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