僕たちがたくさん働く4つの理由 – 『勝者の代償』

勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来

GOAL

仕事と人生のバランスを取るのが難しくなっている原因はなんだろうか。

POINT

著者は僕たちはより長く働くようになった理由を4つ指摘している。

第一に世帯所得を維持するためだ。終身雇用は少なくなり、給料は必ずしも右肩上がりを示さなくなった。片親の父親、母親も増えた。僕たちは生活していくためにより多く働く必要がある。

第二に明日への不安が挙げられる。ITの発達のおかげで僕たちはより安く、より素晴らしい商品を選ぶことが容易になった。競合サービスの価格や口コミを一覧で比較し、満足できなければすぐ に乗り換えることができる。それは『買い手』の僕たちには素晴らしい恩恵を与えてくれた。だが、僕たちは『買い手』であると同時に『売り手』でもある。『買い手』である僕たちにとっては顧客からの支持を集め続けることが難しいことを意味しているのだ。今日仕事があったとしても、明日もその仕事があるかどうか不安になる。だから働けるうちにもっと働いておこうという動機が強くなる。

第三に競争のスピードが増したことが挙げられる。競争相手は昔のようにのんびりかまえてはいない。常にチャンスを虎視眈々と狙っている。仮にあなたが市場においてNo.1の地位を獲得していたとしても、休憩は許されはしない。常に全力疾走が求められているのだ。

第四としてより少なく働くことの経済的損失が大きくなったことが挙げられる。所得格差が広がり、上層に位置している人たちの経済的チャンスがより大きくなっている。少しだけ余分に労働することで多くの経済的な恩恵を手にすることができる。だがそれは逆に言えば、たくさん働かないことで失う金額が大きくなっていることを意味している。

以上のような理由から、僕たちはたくさん働くよう社会的に動機づけされている。

著者はきっぱりと断言している。人生のバランスをとるためにあえてダウンシフトする人は少数派だ、と。そして実行する難しさを次のように表現している。

「バランス」を達成するための個人的努力をするのをあきらめなさいと言っているわけではない。ただ、そうした全くの個人的な努力をすることは、昔に比べてずっと大きな不屈の精神を必要とし、(中略)今後さらに大きな決意が必要になる、ということを警告したいだけである。(359頁)

IDEA

本書を読んで、やっぱり僕の志向する生き方はとても険しい道なんだと認識することができた。全速力のライバル達がひしめき合っているレースで果たして僕は減速することを選択できるのだろうか。

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