新たな視点でその国、その都市を眺めよう「消費するアジア」

消費するアジア - 新興国市場の可能性と不安 (中公新書)
大泉 啓一郎
中央公論新社
売り上げランキング: 30318

これから世界を旅する前に読んでおいた良かった。その国、その都市を眺める視点にパラダイムシフトを与えてくれました。

都市の世紀

21世紀後半には、都市ではなく農村が特別な空間となるのだ。

世界の人口に占める都市の割合は、2008年にほぼ半分。2025年には57%、2050年には70%に達すると予測され、都市に住んでいないひとのほうが少数派になる時代が近づいている。

また、人口だけではなく、経済面から見ても、都市の存在感は大きい。中国の一人当りGDPは4000ドル強に過ぎないが、北京や上海では10000ドルを越えている。国単位のデータだけを見ていては、本質を外すことになる。

ましてや、中国は省レベルで一国に相当する規模がある。東アジアの国と中国の省の人口をランキングすると、1位は2億2800万人のインドネシア、2位は1億2700万人の日本だが、3位は広東省で9540万人、4位が河南省で9430万人、5位が山東省で9420万人となる。人口だけを見ると、タイやベトナムを上回っている。

メガリージョンの形成

また、「メガリージョン」と呼ばれる複数の都市にまたがったエリアも重要性が増している。メガリージョンの由来は、衛星写真で地球を眺めた時、複数の都市にまたがって光源が広がっていて、その光源と経済力が比例していたことに由来しています。

全世界には40カ所のメガリージョンがあり、日本には東京圏、大阪・名古屋圏、九州北部、札幌広域圏の4つ。アジアではソウル・釜山圏、香港・深圳圏、上海圏、台北圏、北京圏、デリー・ラホール圏、シンガポール圏、バンコク圏の8つのメガリージョンがある。

もはや国レベルの平均化された指標は意味をもたない。大都市圏ごとの新しい経済単位を使う必要があるのだ。

という言葉通り、国全体を見るのではなく、メガリージョン単位でその国の実情を眺めていくのが有効なんだろうと感じました。

人口ボーナスの終わり

ただ、世界の成長のエンジンとも言うべきアジアでは、今、急速に高齢化が進んでいる。その国に若い労働力が豊富にある期間のことを「人口ボーナス」と呼びますが、韓国、台湾、香港、シンガポール、中国、タイでは2015年頃に人口ボーナスが終わると予測されている。ベトナムは2015〜20年、マレーシアとインドが2030〜35年です。

既存の成長路線に固執し、人口ボーナスを使い切るまでに、産業構造を変換することができなければ「中所得国の罠(middle income trap)」に陥り、成長率は低下していく。タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンにはこの罠にはまる可能性があると言う。

特に難しい課題だと思うのは、成長を継続していく策として、外資を誘致し、世界の人材を惹き寄せるためには「減税」が必要だが、タイの騒乱に代表されるような「物言う都市のマジョリティ」の不満を解消するためには、社会保障制度の充実やインフラの投資など「増税」が必要なことです。ここらの難しいかじ取りをしながら、高齢化社会に対応していくことは並大抵なことではないでしょう。

課題先進国の日本のリーダーシップ

そこで、重要な役割を果たすのが日本なわけです。今、アジア全体が直面している「環境」「資源エネルギー」「医療」「教育」などの課題は、過去(もしくは現在)に日本が直面してきたこと。本書で、日本のことを「課題先進国」と表現しているのは妙を得ていますね。

日本にはこれらの課題を解決する技術力やノウハウがあるのだから、これからのアジアの中で、リーダーシップを発揮できるフィールドは広いのでは、と希望的な観測を持ちえました。

「ポルトガル 朝、昼、晩」を読了。僕の理想の旅のカタチかもしれない。

ポルトガル朝、昼、晩。
ムラマツ エリコ なかがわ みどり
メディアファクトリー
売り上げランキング: 26695

外国に行き、「住む」のでもなく、「旅」をするのでもなく、暮らしている「フリ」をする。住まいを確保し、現地で生活用品を買い揃え、マーケットで食材を調達して自炊する。できるだけ現地の人が利用するカフェやレストランへ通う。時々、隣町にもバスで足を運んでみる。そんな、暮らしている「フリ」を楽しむ生活。

海外に移住している人やバックパッカーからすると、中途半端なスタイルに見えるかもしれないけれど、これはこれで旅のカタチのひとつ。ほどよく肩の力が抜けていて、それでいて、適度な好奇心を保てそう。

そして、なにより「海外で短期間に生活できる環境を整え、実際に生活してみる」という経験が、旅のソレとは違って、これから何が起こるか分からない世界で生きていく上でとっても大事だぞ、と思いました。

ベテラン社員の「ヌシ化」を防ぐことが肝要『なぜ、社員10人でも分かり合えないのか』

なぜ、社員10人でもわかり合えないのか
日経BP社
売り上げランキング: 74663

うちの会社は基本的にオンラインでやりとりしているので「何かヒントが見つかるかな」と思って手に取った本です。タイトルからすると社内コミュニケーションのようだが、実際は社内マネジメントといった内容。

「社員が10人と少ないのになぜ分かり合えないのか」は真実ではなく、「社員が中途半端に少ないほど分かり合えなくなる」が正しい。

なぜか。それは社員が少ないほど、特定の仕事をひとりの社員に頼りがちになり、情報の独占や属人性を強めてしまうから。そのひとが健在のうちはうまく仕事がまわるが、いざ引継ぎの段階になると、問題が起こるようになる。それをこの本では「ヌシ化」を呼んでいる。面白い表現です。

それを防ぐにはどうすればいいか。色々書いてあったのだが、大事だなと思ったのは「マニュアル化」と「言葉の定義づけ」の2つ。

「マニュアル化」とはベテラン社員がもしいなくなったとしても、滞りなく仕事が回せるように工程表を作っておくこと。当たり前のことのようだが、小さい会社は最低限の人数で回していることが多いため、わざわざ意識しないとマニュアルを作ろうとはしないもんですわ。なのでトップが先導してマニュアル作りに時間を投資できるように、環境を整えてあげるといいでしょう。

「言葉の定義づけ」とは、社内や取引先で頻繁に使っている言葉の意味を改めて確認しあうこと。言葉の意味がずれていると、議論がそもそも咬み合わないし、小さなずれが大きなミスを起こしてしまうからだ。具体的にはエクセルか何かでリスト化してしまうと良い。

全部で7章あるうちの1.5章分ぐらいしかタイトルの内容を含んでいなかった(残りはサクセスストーリー・・)が、まぁ、なかなか参考になりました。

夫婦でフィリピン語学留学を検討しているので『フィリピン超格安英語留学』 by @mohideki を読んでみた。

2012年春から予定している、僕たち夫婦の世界一周旅行のスタートを、フィリピンから始めようと計画しています。

その目的はフィリピンの英会話学校へ通うため。旅の最初で英語に慣れておくことで、その後に得られる経験や出会いを実り多きものにできると思うし、生命にかかわる重大な情報を見逃すというリスクを減らすことにも繋がるはず。嫁さんと一緒に旅をする以上、積極的に家族(夫婦)の安全性を高めることは僕の役割だから。

世界を旅をすること自体が危険やろ!と突っ込みが入りそうですが、長い人生を考えれば、世界を旅することで得られるメリットは危険以上の投資になるだろうし、だからこそ計画しているわけで、やるならやるで、できるだけリスクは減らせばいいだけじゃないかな、と楽観的に考えてます。

そんなこんなでフィリピン語学留学を検討しているので、次の本を読んでみた。世界一周旅行へ出かける前に、フィリピンに3ヶ月間留学したという太田英基さん(@mohideki)の書いた本。まさに僕たちのモデル。ナイス。

フィリピン「超」格安英語留学
太田英基
東洋経済新報社
売り上げランキング: 2373

学校選びのチェック項目としては、こんな感じ。

  • 学校外から通えるか?
  • SSP(Special Study Permit)がきちんと取得できるか?
  • 校内で英語以外の言語は使えるか?
  • 冷暖房はあるのかどうか?
  • 日本人生徒の比率はどうか?
  • 日本人スタッフはいるのかどうか?
  • 何時間のマンツーマンレッスンが受けられるか?
  • グループレッスンの人数は?5人以下が理想
  • ネット回線の有無

僕たち夫婦は、今のところ、学校の寮に住むのではなく、ウィークリーかマンスリーで住居を借りて、そこから学校へ通おうと考えているので、学校寮の環境はチェック項目から除外しています。

来月10月6日(木)から11日(火)までフィリピンを訪れる予定なので、色々チェックしたり、試したりするのが楽しみ。WifiルーターのMifiを持っていくつもりなので、Skypeしたりメールしたりするのは問題ないかと思います。

ps. Rarejobの先生がちょうど誕生日を迎えるそうで、日本からプレゼントを持っていってあげるつもりです!プレゼントは何がいいかなぁ。

ユニークに生きることに勇気をもらえる『自分の中に毒を持て 岡本太郎』

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか (青春文庫)
岡本 太郎
青春出版社
売り上げランキング: 358

ぼくは長いこと大阪に住みながら、岡本太郎氏のことを全然知らなかったので、彼が戦前パリに渡航していたこと、相当の覚悟をもって活動していたことを知って驚くとともに、刺激を受けました。火の玉のように、下手に触るとこっちが火傷してしまいそうな人物だと感じました。

以下、本の中から抜粋した言葉です。

食えなけりゃ食えなくても、と覚悟すればいいんだ。
それが第一歩だ。その方が面白い。

子供がいても、この覚悟をもてるか。
どうだろう。正直わからない。

危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。
ほんとはそっちに進みたいんだ。

気になるから危険だと感じる。
どうてもいい道なら、認識すらしない。

自分はなんてバカな奴だといいながら、
そのくせ内心では、こっそり、
いや、そんなこともないかもしれない、
なかなかどうしてなんて思っているものだ。
そういう複雑に絡み合ったものがコンプレックスだ。

えぐるような指摘。
まったくその通りで、自分にも当てはまっている。

他人にバカにされようが、けなされようが、笑われようが、
自分がほんとうに生きている手ごたえをもつことが、
プライドなんだ。

スポーツも歌も会話もすべて、
下手なら、むしろ下手こそいいじゃないか。
そう思って平気でやればいい。
もっともっと下手にやろうと決心すれば、
かえって人生がおもしろくなるかもしれない。

思い出すのは、
自分の結婚式の二次会で、嫁さんの前で、
ジェンベを演奏して、アフリカの愛の歌をひとりで唄ったこと。
音痴で、カラオケもめっちゃ嫌いな自分にとっては、
あの時、こんな気持ちだった。

ハイウェーを驀進しながら、
その画一的、いわばスマートな身軽さを身につけながら、
しかし同時に、ジャングルの中を押し分けていくあの冒険。
不如意。希望。失意とファイト。
その孤独の戦いともいうべきロマンティスムを、
意志的に自分に課すのだ。
その対極的な相互作用に、身体全体をぶつけてこそ生きがいだ。

世界をリアルに感じるために・・『個を見つめるダイアローグ 村上龍×伊藤穣一』

「個」を見つめるダイアローグ
村上 龍 伊藤 穰一
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 72254

外国人ジャーナリスト相手に日本批判するのは、
他人に向かって家族を批判するのと同じだ。
村上龍

なにもジャーナリストに限った話ではなくて、
海外で出会うすべてのひとたちに言えることだと思う。
旅先で忘れないようにしよう。

本当は偉くないのに、建前で偉いことになっていて、
ぜんぜんリスペクトされていないのに偉そうにしているのは、
社会にとって余計なコストがかかることだと思う。
伊藤穣一

そうそう。
ムカつくとかそういう感情的な理由よりも、
合理的に考えて、見合いませんよね、という考え方のほうが、
よっぽど、みんなが納得できるんじゃないかと。

日本人って「日本は大丈夫だ」と
なんとなく思いたがるところがあるでしょ。
でも、もっと現実を直視して、他からたくさん学ぶべきだと思う。
伊藤穣一

自分にすごく当てはまっている点。

今のアメリカの状況だって、
短期的にでもデフォルト(債務不履行)してしまえば、
世界に、日本に、どういった影響があるのか、
最悪のケースを真剣に考えなくちゃいけないのに、
円高だし外貨に変えとくか〜、ぐらいにしか受け止めてない自分に、
危機感を覚えてます。

どうしたら外国で起きている問題とも
真正面から向き合えるようになるかと言えば、
本を読むだけじゃなくて、やはり世界に出て、
そこで誰かと友達になって心を通わせる。
ときには議論もする。
そういう経験を積んでいくことが、
一番早いんじゃないかなあ。
伊藤穣一

そういうこと。行動しかない。

自分なりの「視座」を提供することにこそ価値がある。 / キュレーションの時代

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)
佐々木 俊尚
筑摩書房
売り上げランキング: 1418

この本が一番伝えたいことは、おそらく、次の言葉に凝縮されています。

一次情報を発信することよりも、その情報が持つ意味、その情報が持つ可能性、その情報が持つ「あなただけにとっての価値」、そういうコンテキストを付与できる存在の方が重要性を増してきているということなのです。

ブログやTwitter、Facebookのおかげで、たくさんのひとが情報を発信できるようになった。そんな中、自分があえて情報発信する意義はなんだろうと考えていました。具体的に言えば、それほど最新でないITニュースを見つけてそれをツイートしたり、ブログに書いたりする場合です。もう既にたくさんの人がその情報を伝播している。さらに自分が発信する必要があるのか、と。

しかし、その情報を重要だと思うに至った背景には、自分だけの知識や体験がまじわったものがあるわけです。その一点において、その人の個性が生きる。唯一の価値がでてくる。

逆に言えば、Twitterの公式リツイートは、自分の視座を提供しない(できない)わけで、重要性は低い。まぁ、役割が違うとも言えますが。

これから情報を再発信する時、特にTwitterにおいて、自分なりの意見や視点を上乗せできているか意識していこうと思います。

Ustreamしている人必見の手法が盛りだくさん。 / プレゼンはテレビに学べ!

プレゼンはテレビに学べ!
天野 暢子
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 108108

プレゼンを学びたい人にはもちろんですが、むしろ、Ustreamで番組を企画していて「もっと生放送を盛り上げたい」「見ている人たちの目を釘づけにしておきたい」と考えている人にこそおすすめしたい。池上彰さんを始め、テレビに登場するキャスターたちの分かりやすい説明を支えている、テレビならではの手法が紹介されています。そう言えば、あれもこれもよく目にしている、と気づくはずです。

テレビを見ている人たちってシビアですよね。番組が面白くなかったり、内容が理解できなかったりすると、すぐにチャンネルを変える。Ustreamも同じで、盛り下がってくると、すぐにリアルタイムに視聴者数が減ってきます。常に、見ている人たちの関心をひいておく必要がある。番組を面白くするには一種の才能が必要だと思いますが(だからこそ構成作家という職業がある)、番組の内容を分かりやすく伝えるエッセンスは充分に学べる。この本はそのきっかけになってくれると思います。

  • 番組名やプレゼンタイトルは10文字以下。テロップは16文字(例「みのもんたの朝ズバッ!」
  • 同音異義語は、別の言い方にする(例「市立」と「私立」
  • 魅力ある商品の応募方法を番組の最後で紹介
  • 「●●さーん」と名前を呼びかける(例「ズームイン朝」
  • 放送中に、スタッフもどんどん拍手や笑い声を出す(例「笑っていいとも」
  • 舞台裏を見せて、共感を集める(例「いいとも増刊号」
  • パターン、めくりフリップ、マグネットパターン、シール投票、テーブル

読了『アジア力』

アジア力
アジア力
posted with amazlet at 11.05.20
後藤 康浩
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 40215

アジアと一口に言っても、中国が中心ではなく、ベトナム、カンボジア、シンガポールなどの東南アジア、インドやバングラデシュなどの東アジアを含めた、広い範囲でのアジアの潜在力を分かりやすくまとめている本です。

この本を読んだ後、中国、中国と声高に叫んでいる人たちは、業界によっては既に周回遅れに入っているんだろうという印象を持ちました。中国をおさえつつも、アジア全域を見わたした上で投資をしなくちゃいけない。中国(経済)を中心としたアジア観をもっているひとは、いい意味で裏切られるかも、ですよ。

  • これから一人当りGDPが伸びる国をVIPと呼ぶ。ベトナム、インドネシア、フィリピンのこと
  • 地政学の重要性の高まり。好例はシンガポール。インドの結びつき強化。港湾、空港の整備
  • 今のインドは中国の13年遅れ。ということは・・・
  • 2015年には中国の人口ボーナス(生産年齢人口の増加)は終わる
  • 途上国の空港に降り立って、最初に見た10台の車のうち5台以上がメルセデスだったらその国の将来は危ない
  • BOPの需要規模は世界で5兆ドル、アジアで2,5兆ドル
  • 中国の「先富論」→「占富論」
  • アジアでは「移動手段」が消費のキーワード
  • ジャパナイゼーション→アジアナイゼーション
  • 世界の人口比率でみると、アジアよりもアフリカ。アジア経済は、今後はイノベーションが課題になってくる

読了『日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方』

日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方
山本 敏行
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 547

著者であり、EC studio代表の山本敏行さん(@ec_yamamoto)が自ら「ITが苦手」とおっしゃっているように、ギーグなひとたちではない普通のひとたちが、あーだこーだ失敗を重ねてうまいこといったアイデアだけを、これでもか!というぐらいたくさん披露されています。

一例を挙げると、

  • iPhoneを全社員に配ったり(データ定額まで会社負担!)、
  • 社内に電話をおかなかったり、
  • プレステをつかって社会会議システムをつくったり、
  • 140km以上の実家に帰る場合、年2回まで交通費を支給したり、
  • 長期休暇制度をつくったり、

と、まー、他所さんの会社がおめにかかれないものばかり。

確かに、面白くてユニークなアイデアばっかりなんですが、ぼくが本書で一番重要だと思ったのは、

重要なのは制度を導入するプロセス

どんなにいいアイデアであっても、上から押し付けるように導入すると効果は半減しちゃう。逆に、みんなでわいわいやりながら作り上げたアイデアは、カタチがちぐはぐしていてもうまいこといくんでしょうね。

この本のアイデアをぱくるんじゃなくて、会社のみんなが楽しく働けるように、いつも考えて試行錯誤しつづけることが大切なんや、ということを教えてくれてるんかなと思いました。

読了『ウェブで学ぶ 梅田望夫/飯吉透』

最近、「本を読み、メモをとり、それをブログに公開する」という一連の行為にさくエネルギーを意識的に抑えていたので、久々の更新。

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)
梅田望夫 飯吉透
筑摩書房
売り上げランキング: 55434

オープンエデュケーションまわりの話にも興味を惹かれたのですが、ぼくが一番気になったのは次のところ。世界中のフリーランスに仕事を依頼できる/されるサービス「Elance」の紹介のくだりです。

その経済格差ゆえに、新興国や途上国の人々にとっては、ウェブ上だけで「職を得る、生計を立てる」可能性も広がり始めています。先進国の経済水準からすればかなり安いコストで、新興国や途上国の優秀な個人を雇えるスキームが進化しているからです。

これって途上国側から見れば、ウェブの恩恵を受けてお金を稼ぐ手段が増えてきて良かったねで話は終わりますが、一個人としてみれば、それだけ優秀なライバルが、自分のコストの何分の1、下手したら10分の1以下で勝負してくるというわけですよね。はっきり言って勝負にならんわけ。

そんじゃ国内だけを相手にしておくよ、とふんぎっちゃえば、戦々恐々とする必要は、一時的に、幻想的に、なくなるのかもしれませんが、まだまだ80年近く生きるつもりでいる自分にとって、違う戦略を考えたいし、むしろそうしないと、リスクが高すぎて怖い。

オープンワーキングの仕組みが広がる中で、ブルーオーシャン、つまり、自分の大好きなニッチ分野で勝負するには、どうすりゃいいか。

とにかく母語が英語でないという不利はできるだけ早く払拭し、その上で、自分の強み、日本人であることの強みを発揮していきたいと、きっと考えるでしょう。

とにもかくにも、まずはその土俵にあがることを目指そう。

読了『老いていくアジア – 大泉啓一郎』

老いてゆくアジア―繁栄の構図が変わるとき (中公新書 1914)
大泉 啓一郎
中央公論新社
売り上げランキング: 59810

うーむ、高齢化の話は先進国特有の問題だ、という思い込みがあっただけに、
中国、シンガポール、タイ、ベトナムなどアジア全域で、
進行しているものだったとは驚きました。

なぜアジアで高齢化(少子化)が進んでいるかというと、
原因はざっと6つ。

  1. 先進国の医療技術導入による死亡率の低下
  2. 中国の一人っ子政策などの人口抑制策
  3. 核家族化の進展(+離婚率アップ)
  4. 女性の社会参加の高まり
  5. 教育コストの増大
  6. メディアの普及によるライフスタイルの変化

特に、気になったのは5番目と6番目。

GoogleやTwitter、Facebookなどで世界中が繋がりやすくなり、
ぼくたちは様々な恩恵を受ける一方で、
英語を標準装備しているライバル達との競争にも直面しています。
となると、アジア圏では物価に差があれど、
教育コストも世界標準で競わなければいけない。
となると、子供の数を減らす、教育投資を集中させる、
というのは当然というわけです。

さらに、インターネットを代表するメディアの普及によって、
世界中の友達のリアルな生活を垣間みれるわけで、
農村から都市ライフスタイルへの変化も促すんでしょう。

そんなわけで高齢化がすすんでいる(特に東)アジアですが、
そのおじーちゃん、おばーちゃんを誰が雇うのか。
急速に高齢化が進んでいるため、医療や年金やらの整備が遅れており、
生命にかかわる事態も起こりえるぞ、という問題。

著者は解決策のひとつとして、
東アジア圏に共同支援体制をつくることを提案しています。
そこでこそ、高齢化の先輩である日本の役割も期待できる、と。
弱点を強みにかえる戦法ですな。
日本が東アジアでの文化レベルの衝突さえクリアできれば、
果たせる役割がなかなか大きいのでは。

将来、アジア圏で生活を考えている人であれば、
読んでおくと、将来の生活を考える上で参考になる本だと思いますよ。

会社だけではなく自営業の人にも読んでほしい「小さな会社のブランド戦略」 by 村尾隆介

小さな会社のブランド戦略
村尾 隆介
PHP研究所
売り上げランキング: 13059

ブランドを持つ会社と、持たない会社、その違いは無数にありますが、
大きく差が出るところといえば、「お客さまの方から買いに来てもらえるか」

お客さんが、わざわざ海を渡って買いにいく網があるんだから驚きです。
そんな風に、求められる価値を提供していきたいと思います。

一番最初に、◯◯のための◯◯をはじめた会社

無理やり新しいことを始めなくても、
視点を変えてみれば、案外、今やっていることの中から、
何か一番が見つかるかもしれない。
新しいカテゴリーを(作るのではなく)見つけよう、ということでしょう。

売れない理由は、多くの場合、単に「わかりにくい」だったりします。

この発言は、自分を含め、多くの会社に当てはまりそうですね。
自社商品について、まったく分野の違う人が、どれだけ理解できているのか。
その魅力を、すっと、伝えきれているのか。
ちょっと、じっくり、考えていきたい言葉です。

会社にとって「大切な100人」

多くのお客さんをつかまえるのではなく、
今、一緒に仕事をさせていただいている人に集中する。提供する価値をあげる。
それが最終的には、売上という結果につながるのだと思いました。

価格を下げるのではなく、価値を上げる

価格設定に悩んだら、値下げせずに、
価格に見合うだけの価値を感じてもらえるように、レベルアップする。
これはなかなか勇気がいること。自分を崖っぷちに立たせることですから。
でも、それに挑戦していくことで、会社の評判は高まりますし、
利益率も大きくなっていくはずです。高めよー。

じぶんのあたりまえをアップデートできる本『あたらしいあたりまえ。 – 松浦弥太郎』

あたらしいあたりまえ。
松浦 弥太郎
PHP研究所
売り上げランキング: 59851

じぶんにとっての、仕事や生活の、あたりまえを、
ちょっとええかんじにアップデートしてくれますよ。

「月曜日までに、書類を出す」
こう約束したとき、月曜日の夕方ぎりぎりに、
間に合わせの書類をなんとか出したのでは、約束を守ったうちには入りません。

耳が痛い。
待っている相手のことを考えて、余裕をもって出す。
しかも相手が想像している以上のことをやる。
口にするのは簡単ですが、実行してなんぼのこと。
今のうちに身につけたいあたりまえ。

一人であることの大切さを感じ、守りたいと思っているから、
僕は「必要以上に人と会わない」と決めているのです。

これは、東京に来てから、特に、意識しています。

素敵なものを買わないように。
高級品に手を出さないように。
ごく平凡な品を使い、シンプルで普通の手紙を書くことが、
大切なマナーだと考えているからです。

手紙を受け取る相手の負担まで考える。
そんな考え方してなかったなぁ、と感心していたら、
嫁さん曰く「男性っぽい考え方」と一言。
相手によりけりでしょうか。

雨の日には、花を買います。

いいですね。きどらずに。

だめになったとき、
潔く手放すのもおしゃれのひとつです。

もう何年も使っている服や靴がたくさんあるので、
こういう考え方も、取り入れていくと、
ちょうどいいのかもしれない。

もし、それが果たされなくても、誰も傷つかないし、
何も起きないし、あとくされもないような小さな約束。
そんな小さな約束を守ることこそ、日常のなかでコツコツと、
信頼というお城を築く方法です。

ぼくの周りのひとには、こういう小さな約束を守るひとが多い気がします。
たぶん、小さな約束をまもるために、一番大事なことは、
守れないような約束は、いっさい、しないことでしょうね。

みんなそれぞれ、その人なりの”代表作”があって然るべきなのに、
かしこくて器用な人ほど、どうにもそれが見当たらなかったりします。

ぐさっとくる言葉。自分にとって代表作はなんだろうか。
これからどんな代表作を育てていきたいのか。考えさせられます。

天才たちと仕事をするということが、どういうことか教えてくれる『仕事道楽』

仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書)
鈴木 敏夫
岩波書店
売り上げランキング: 15076

スタジオジブリの宮崎さん、高畑さんと一緒に仕事をしている、
鈴木敏夫プロデューサーが書いた本です。
天才の二人とどうやって接して、どうやって仕事をしているのか、
いや、もっと言うと、どうやって丁丁発止でやりあっているのか、
その凄まじさが端々から伝わってきました。

高畑・宮崎の二人との出会いは強烈でした。
当然ながら、もっと付き合いたいと思う。
そのためには、なんとしても彼らと教養を共有したいと思ったのです。

教養を共有したいっていう考え、なんかいい。
なんでだろうなぁ。そこに甘っちょろいぬるい関係じゃない、
真剣な付き合いがあることに魅力を感じるのかな。

宮さんに「鈴木さん、これ読んだ?」と聞かれて、
「いや、それは読んでない」といったら、
いきなり「無知ですね」。

強烈。容赦なし。
そんなことをズバッと言ってくれるひとが、周りにいるか。

わかりもしないのに、わかったように相槌を打つ人。
これはぼくは弱さだと思います。

ぼくも、恥をかいても、わからんことは、
できるだけその場で訊くようにしています。
案外、周りの人も、分かってなかったりすること多いですしね。

「断りなく」、そのイヤホンを自分の耳にかけて音楽を聴く。
そして「これ、何がいいの?」。
(略)それを毎日のようにやっているなかで、
なんとなく「アッ、いま、みんなはこういうものが好きなのか」という情報として、
身についていくことにつながっているんじゃないでしょうか。

某シンプルさんも似たようなことやってましたねw
自分の嗜好フィルターをかましちゃうと、どうしても世の中とのずれが大きくなっていくから、
こういう心がけって、何歳になっても必要なんだろうなぁ。

カネの話よりも、西原さんの仕事に対する姿勢のほうが参考なることが多かった。『この世でいちばん大事なカネの話』

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)
西原 理恵子
理論社
売り上げランキング: 1641

本のタイトルに「カネの話」って付いてるけど、
それよりも、西原さんが予備校で絵が一番下手やったところから、
どうやって仕事でメシを食えるようになっていったか、
そのあたりの話が、一番面白かったです。

「この東京で、絵を描いて食べていくこと」。
だとしたら肝心なのは、トップと自分の順位をくらべて卑屈になることじゃない。
最下位なわたしの絵でも、使ってくれるところを探さなくっちゃ。
最下位の人間には、最下位の戦い方がある!

そうそうそう。戦い方がある。サバイバルできる戦場を探す。
自分なりのブルーオーシャンってやつですね。

何でも仕事をはじめたら「どうしてもこれじゃなきゃ」って粘るだけじゃなくて、
人がみつけてくれた自分の「良さ」を信じて、その波に乗ってみたらいい。
わたしの場合も、人から「あれ描いて」「これ描いて」って注文されて、
断らずにやっているうちに
「このあいだのアレ、おもしろかったよ」「こういうのまたやりましょう」って、
ウケるほうに、食べていけるほうに、仕事が寄っていった。
そうなると、ひとつの仕事が次の仕事を呼んで、仕事の道ができていく。

自分よりも、他人のほうが、自分の良さを分かってるもん。
今年は挑戦がキーワードの一つだし、初体験の仕事を食わず嫌いせずに、
どんどん取り込んでいこう。

読了『iPhoneとツイッターで会社は儲かる』

全社員にTwitterを導入した会社が書いた本。
その中から、ちょっと面白そうやと思ったアイデアを。

  • 社長の一日分のツイートをまとめて社内メーリングリストで流す→社長のツイートを見落とすことなく共有できるので、社長ががんがん行動してツイートするタイプだったら、いいかも。
  • (公開していい)社内告知をTwitterだけに限定して流す→強制的にTwitterに参加させる仕組みとしてはありかと。中級っぽい技。社員のアクティブ率があまりにも低いと機能しない恐れはありそう。

Twitterとは関係ないけれど、

個人ユースではなく、ビジネスユースならば、導入の検討する価値ありなんじゃないでしょうか。

今週のBRUTUSで気になった本。 via @brutus_mag

BRUTUS NO.700

今週のBRUTUSで気になった本。

貧困の克服 ―アジア発展の鍵は何か (集英社新書)世界史の構造永遠平和のために (岩波文庫)善悪の彼岸 (新潮文庫)超マクロ展望 世界経済の真実 (集英社新書)なぜビジネス書は間違うのか ハロー効果という妄想超ヤバい経済学拝金ゼロから始める都市型狩猟採集生活経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)これがニ-チェだ (講談社現代新書)ニーチェ (ちくま学芸文庫)砂漠の惑星老年の価値「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)詩羽のいる街希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書)地球最後の日のための種子コーヒーが廻り世界史が廻る―近代市民社会の黒い血液 (中公新書)庭仕事の愉しみニホンゴ ロゴ―ひらがな、カタカナ、漢字による様々な業種のロゴ戦争が遺したもの

追加

某シンプルさんがお勧めしていたので、追加。

バブル女は「死ねばいい」 婚活、アラフォー(笑) (光文社新書)

読了『フェラーリと鉄瓶』

フェラーリと鉄瓶 (PHP文庫)
奥山 清行
PHP研究所
売り上げランキング: 101162

購買に至るプロセスと、
本物を手に入れたという満足感だけがあればいい。
それがブランド品を買うことの本当の意味だと、
イタリア人たちは考えています。

本物だけど、差別化が難しいという商品があれば、
徹底的に購買プロセスの質を、ブランドイメージに沿って高める、
といったことが有効なのかもしれん。

いきなり見えるのではなくて、霧の中を模索するうちに少しずつ見えてくる。
この「少しずつ」という感じがいいんですよね。

この感じよくわかる。日記でもブログでもウェブデザインでも同じ。
少しずつ手を動かしていくうちに、思いもよらなかった何かが見えてくる。
奥山さんは手書きじゃなきゃそれは分からない、と言ってますが、
ぼくは、案外、手書きじゃなくても、
偶有性によるクリエイティブってもんがあるんじゃないかなー、と思う。

距離を近づけたり遠ざけたりを意識的にしながら、
いろいろなアプローチでアイデアを取り出していく。
そういうことが自分の中で自由にできるようになると、クリエイティブな能力が高まります。

読了『創造の1/10000』

人生を決めた15分 創造の1/10000
奥山 清行
武田ランダムハウスジャパン
売り上げランキング: 58996

区切りを越えていない仕事は、ないのと同じなのである。

今までを振り返って、区切りを超えた仕事がないと気づかれさた。
だから、評価のスタートラインにすら立ってないのだ。
区切りを超えた、と自信をもって言えるところまでやりきる。

(感情を)ぶつける対象は相手ではなく、相手の仕事なのだ。

お互いの意見が譲れないとき、ついつい感情的になってしまうけれど、
この点を忘れないようにしたい。目指すところは同じ。

注文が来てからデザインをするのでは遅い。

奥山さんは、仕事の依頼がこなくても、
あの車を自分ならどうデザインするか、と考えてスケッチを書きまくっているそうだ。
仕込みの時点で、すでに仕事の成果は決まっている、のか。

「主観と客観」の使い分け

  • 翌日の朝、作品を見なおしてみる
  • 作品を壁に貼って、距離をとって眺めてみる

の2点は、すぐにでも真似できそう。やってみよ。