『電子書籍の衝撃』で紹介されていた、まつきあゆむさんの発言が素敵だ。

『電子書籍の衝撃』で紹介されていた、
まつきあゆむさんの発言がとても素敵だったので、
全文引用して、紹介します。

アーティストとして、音楽を、自然体で、
面白がってやろうじゃないの、という思いが伝わってくる文章です。

僕みたいな音楽家にとって、従来の大規模音楽ビジネスの中にいるとこっちもむこうもお互い機能しないなって最近思ってきました。必要なのは、本当に欲しい録音機材を手に入れることや創作したり録音するための時間をある程度自由にとったり、売りたい値段で売りたいときに音楽を売ったり(あるいは速攻でフリーダウンロードにしたり)、そういうすごい単純な事だけです。

実体のない大勢の誰かに自分の大事な音楽を投げつけてみるより、今こそ、僕の音楽に興味を持った人へ1対1でそれを手渡ししたいと思ったんです。そのために僕はインターネットとか肉体的に使えそうだぞ、と。だからダブルアルバムに関しては、どこも通さず自分で売ります。著作権も僕に帰属し、自分で管理します。音楽をダイレクトに聞く人に渡していきます。

さらに、ああ聞いて良かった、もっと聞かせろ!なんか見せろ!と思ってる人からダイレクトにお金を集めて、その基金を活動資金にしようと思います。寄付金額は1円でもいいし、1億でもいいです。好きなだけ。思った時に365日。で、そういうの中身全部をオープンにして。今これだけですっていう。ウェブサイトと Twitterとかで。俺こういう音出したくて、それを出すための機材買いたいからこれだけ使うつもりだ、とか。単純に1000人から1000円集めたら僕はそのまま100万手に入れて、それでまた面白い事して返す。

リスナーと音楽家で限りなくダイレクトに行われて、間でよくわからない場所へ資金が還元されることなく自分自身に戻ってくる仕組みが欲しいなとずっと思っていました。素晴らしいと感じた音楽とかアイデアとか「体験」自体にフェアに対価を払うことができる、当たり前で健全なシステムを自分で作ってそれを堂々とやろう。が、『M・A・F』(マフ)です。マフは全然閉じてるイメージじゃなくて、大きなネットワークになった時きっと想像超えて素晴らしいことが起こるって期待を込めてます。全てにおいて自由だからやっていけない事なんかないし、むしろ自分で決めるし。あと、とにかく未知数で楽しそうだし。

音楽で世界なんか変えなくてもいいから、自分たちから見える景色の色を変えていこうと思ってる。失敗したって全然気にしないし、どう転んでもきっと音楽になって返ってくる。

確かにこの世からスーパースターはいなくなったかもしれないけど、大事な物はこれからどんどん増えてく気がする。そういう考えに基づいて、僕はビートルズなんかいつか全然超えられるよ、って思ったんだけど。

僕の音楽を支持してくれる全ての人たちに、僕の音楽の未来を一緒に切り開きにきて欲しいと思っています。

では。

先人たちの音楽に経緯をはらいつつ/2009年12月1日/冬/まつきあゆむ

読了『もの食う人びと 辺見庸』

もの食う人びと (角川文庫)
辺見 庸
角川書店
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単なるグルメ旅行じゃない。
そこに住む人びとの食にまつわる歴史、
心の傷、葛藤、怒り。
それらを自分の舌で、五感で、感じる旅。

食事内容を並べるだけでも、
その旅の凄まじさの一端が、伝わってくる。

ダッカの残飯、ドイツの囚人食、猫用缶詰、
チェルノブイリの放射能汚染食品、コソボの修道院の精進料理、
ウガンダのエイズの村のマトケ、択捉島の留置場のカーシャ。

自分も味わってみたい、とは、とても思えなかったけれど、
辺見さんの、「自分の舌で世界を感じたい」という思いには、
強く共感させられました。

はっきりとした旅程はない。これといった決心もない。
ただ一つだけ、私は自身に課した。
噛み、しゃぶる音をたぐり、もの食う風景に分け入って、
人びとと同じものを、できるだけいっしょに食べ、かつ飲むこと。

食べるというのは、それぞれの民族が、
祖先や文化の記憶を味になぞることでもあるから、
「食」にかかわる差別は深く心を傷つける、と私は思う。

奇食に見えて、しかし、奇食など世界には一つとしてない。
行く先々にもの食う人びとがいて、
いまそれを食うことの十二分な理由と、
食うことと食えないことにかかわる知られざるドラマを持っていた。

読了『わかることはかわること 養老孟司 佐治晴夫』

「わかる」ことは「かわる」こと

もぎけんにある、茂木健一郎さんの講演を聴きまくっていたら、
養老孟司さんの名前がちらほら出てきて、
どんな人なのか気になって、本書を手にとってみました。

なんとなく、天邪鬼で、いつも物事を疑って「観る」ことが、
クセになっているひとなのかなー、という印象。

宇宙のことを知るということは、
宇宙のことをあなたが勉強して知ることによって、
あなたの人生がどう変わったかということをもって、
知る、ということなのです。

いま、読んでみたいと思う本が、ビジネス書から、
自分とは異なる考え方・生き方をしている人たちが語るものに移っているのも、
じぶんをどう変えてくれるか、楽しいからなのかも。

わかりやすく砕いて説明するということが
必ずしもいいことじゃなくて、
難しいけどおもしろいという教育、
これは本物かな、と思いましたよ。

その線引きは、ほんとうに際どいバランスで、
そこを追求する難しさが、教師、親としての、
面白いところだったりするのかなー。

いかに美しいか、いかに無駄がないか、いかに単純か、
という三つが数学の褒め言葉なんです。
だから「夕日をみてきれいだと思わないやつに
数学はわからないよね」ということになります。

数学以外にも、ソースコードにも言えるのかもしれないですね。
綺麗なCSSファイルには、無駄がないもんね。

だれかに会うことの幸福を感じさせてくれる、
そういう機会は決して多くないのである。

人と会うという行為を、ときどき、
ぼーっとして、大切にしていない気がするので、反省。

読了『美しい暮らしを探す旅人』

「美しい暮らし」を探す旅人 (福原義春サクセスフルエイジング対談)

浜美枝さんが語る、農業や田舎のあり方は、
今の時代だからこそ、
受け入れられることが多いんじゃないか。

力が抜けているような―
自然体で暮らす、生きる、という価値観。

いま、ブログを書きながら、なんとなく、
先日の「勝間×ひろゆき」対談が頭にうかびました。

ヨーロッパの国々の田舎の、質素というか、
都会を見て暮らしていないっていうとこらが
とてもいいなと思うんですね。

だから、ちゃんともうかる農業をやればいいんです。
都会と同じ価値観ではなくて、
食べていけて、子供を育てられて、
おいしい空気を吸って幸せで、育てる喜びを得られて、
これ以上の喜びはどこにありますかっておっしゃる農民はいますもの。
私はそれがほんとうの農民魂だと思います。

生存率を1%でも上げるために。『死なないための智恵 – 上野正彦』

死なないための智恵

刃物をもったひとに襲われたとき、
火事や毒ガスの現場にいあわせしまったとき、
どんな行動をとれば、生き残れる可能性をあげられるか、
本書では細かく説明されています。

例えば、

  • 刃物で襲われた場合は、腕の外がわで防ぐ
  • ケガ人を介抱するとき、周りに犯人がいないかどうか確認する。戻ってくる場合がある。
  • 喉元よりも耳の下を守る
  • 血液にはうかつに触れない
  • 防毒マスクがない限り、家事の現場に入ってはいけない
  • 雪山で遭難したら横穴をほる。換気口をつくっておく

などなど。

この本を読んだからといって、いざ、その状況になったとき、
上で書いてあるようなことを実践できるか、
それはまた別問題。

でも、だからと言って、
なにもしないよりは、きっとましなはず。

自分を、家族を、友だちを守りたいとき、
生存率が1%でも上がっていれば恩の字。
そんなつもりで読みました。

読了『きけ わだづみのこえ』

きけ わだつみのこえ―日本戦没学生の手記 (岩波文庫)

なんと感想を言っていいのか。
心にいつまでも、彼らの存在感が残っている。

死ぬ間際まで、
自分の教養を高めようとする欲求の強さ。
次第に麻痺していく自分の人間性を、
必死に守り通そうとする姿。

何を言っても陳腐だと感じてしまうけれど、
家族と会える、好きな本を読める、学校に通える、
そんな当たり前のことに、
感謝しなくてはいけないと感じた一冊でした。

ぼくは、死ぬ間際まで、
じぶんをあんなにも冷静に見つめていられるだろうか。

私の感情―繊細な鋭敏な―が段々とすりへらされて、
何物をも恐れないかわりに何物にも反応しないような状態に
堕ちて行くのではないかという疑念ほど、
私を憂鬱にしたものはありません。

俺は飽くまで俺という人間を守り通していきたい。
死ぬまで俺という人間だけは失いたくない。

人間、誰にも言えぬ独りの秘密があるものだ。
それは、実に恐ろしい心の鬼だ。
それにふれることを人は極度に恐れる。
それを開かんと幾度か努力する。
しかしそれは、傲然と人の心の奥底に
ふんぞり返ってニヤニヤしている。

我々は盲目でありすべての力をうばわれているのだから、
その他に何を考え何をする必要があろう。
完全に牧羊の精神を我々のものとすること、
次の場所に追い立てられるまで、ただ草を食うこと、
明らかな態度だ。

私は死んだ日を忘れていたい。
我々の記憶に残るものは、ただ、
私の生まれた日だけであって欲しいと思います。

コペル君と一緒に学んだ『君たちはどう生きるか』

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

この本は、中学生のコペル君が、
毎日おこる出来事を、親戚のおじさんに話して、
それにおじさんが(将来読むであろう)コペル君に対して手紙でこたえる、
といった形で話がすすんでいきます。

おじさんがコペル君に語りかけている言葉は、
26歳の僕にも、考えさせられる内容が多くて、
まるで、コペル君の隣にすわって、
おじさんの話を一緒にきいているような気分でした。

少し多めに引用します。

自分たちの地球が広い宇宙の中の天体の一つとして、
その中を動いていると考えるか、それとも、
自分たちの地球が宇宙の中心にどっかりと座り込んでいると考えるか、
この二つの考え方というものは、実は、天文学ばかりのことではない。
世の中とか、人生とかを考えるときにも、
やっぱり、ついてまわることなのだ。

人間が集まってこの世の中を作り、その中で一人一人が、
それぞれ自分の一生をしょって生きてゆくということに、
どれだけの意味があるのか、どれだけの値打ちがあるのか、
ということになると、僕はもう君に教えることが出来ない。

それは、君がだんだん大人になってゆくに従って、
いや、大人になってからもまだまだ勉強して、
自分で見つけてゆかなくてはならないことなのだ。

ただ眼や耳が普通に備わっているというだけでは足りなくて、
それを味わうだけの、心の眼、心の耳が開けなくてはならないんだ。

肝心なことは、いつでも自分が本当に感じたことや、
真実心を動かされたことから出発して、
その意味を考えてゆくことだと思う。(中略)

そうすると、ある時、ある所で、君がある感動を受けたという、
繰り返すことのない、ただ一度の経験の中に、
その時だけにとどまらない意味のあることが分かってくる。
それが、本当の君の思想というものだ。

世間の眼よりも何よりも、
君自身がまず、人間の立派さがどこにあるか、
それを本当に君の魂で知ることだ。
そうして、心底から、
立派な人間になりたいという気持ちを起こすことだ。

だからねえ、コペル君、あたりまえのことというのが曲者なんだよ。
わかり切ったことのように考え、それで通っていることを、
どこまでも追っかけて考えてゆくと、
もうわかり切ったことだなんて、
言っていられないようなことにぶつかるんだね。

少なくとも、コペル君、君が貧しい人間と同じ境遇に立ち、
貧乏の辛さ苦しさを嘗めつくし、その上でなお自信を失わず、
堂々と世の中に立ってゆける日までは、
君には決してそんな資格がないのだよ。

君は、生産する人と消費する人という、この区別の一点を、
今後決して見落とさないようにしてゆきたまえ。

人間が、こういう不幸を感じたり、
こういう苦痛を覚えたりするこということは、
人間がもともと、憎みあったり
敵対しあったりするべきものではないからだ。

また、本来、もって生まれた才能を
自由にのばしてゆけなくてはウソだからだ。

一番深く僕たちの心に突き入り、
僕たちの眼から一番つらい涙をしぼり出すものは、
―自分が取りかえしのつかない過ちを犯してしまったという意識だ。

良く老いた『ムナーリのことば』

ムナーリのことば

ブルーノ・ムナーリ
素敵な言葉の持ち主だったんだなぁ。

彼のように、いつまでも、
好奇心をもったまま老いていきたい。

子どもの心を 一生のあいだ
自分の中に持ち続けるということは
知りたいという好奇心や
わかる喜び
伝えたいという気持ちを
持ち続けるということ

芸術とは
形に
中身に
素材に
技術に
方法に
過去の体験をなぞり
新しい体験を重ねる
終りのない探索のこと

簡素化は、知性の証である。
中国の賢人は言ったものだ。
「二言三言で言えないことは、
どんなにたくさんの言葉を連ねても言えない」と。

残念ながら、
たくさんの人々が、
良く老いるということを、
知らずにいる。

じぶんが消耗されないために。『巨泉―人生の選択』

巨泉―人生の選択 (講談社文庫)

巨泉さんは、芸能界でサバイバルしていくための嗅覚というか、
戦略というか、そういうものが鋭そうだという印象をうけました。

テレビへの出演オファーが多い時期、
週3つ以上の番組をもたないようにしていたそうな。
じぶんがメディアに消耗されないようにしていたんですね。

こういうことを意識して活動している芸能人って、
なかなかいない気がします。
Misiaさんや矢沢永吉さんといった、
音楽番組にはほとんど出演しないアーティストも同じ意図なのかな。
お笑いで言えば、おぎやはぎも、
同じようなこと言ってたなぁ。わざと、あんまり仕事はしねぇよ、って。

じぶんが消耗されるような、仕事のやり方をしていたら、
そのひとの才能は長生きしないんでしょう。
同じ仕事を長く続けることが目的なら、ですが。

そういえば、村上春樹さんもそんなこと言ってました。
才能の源泉がつきてしまうとダメ、
新しく掘りつづけなきゃいけないって。

じぶんは、なにを続けて、なにを掘っていきたいのだろうか。

若い頃は趣味をひろげて、徐々に3つ淘汰していく

これはボクが唯一のアドバイスであり、
30年以上も実行していることである。
出かける一年以上前から、行く先の国の歴史や現状をよく勉強すること、
できれば片言でもその国の言葉をしゃべれるようにする。
これであなたの旅行は倍豊かになります。

人間運の総量は同じ

ブログで自分の世界観を表現したい。『視覚マーケティング実践講座』

視覚マーケティング実践講座 ブログデザインで自分ブランドを魅せる
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ぼくのブログは、違うブログを参考にしながら、
じぶんの好きな色を組み合わせて作ったのですが、
もっと作りこんでみたい、と刺激をうけました。

ブログのデザインって、一言で言ってしまえば、
じぶんの世界観の表現ってこと。

だから、じぶんがブログを通して、
なにを表現したいのか、どんな印象をもってほしいのか、
そんなことを自分と対話していかないと、表現できない。

すこしずつでも、ブログをリニューアルしていきます。

デザインのリニューアルにあたっても、
今あるデザイン資産を持ったまま、
新しくなっていくことを考える必要があります。

じぶんと対話することには価値がある『ひきこもれ』吉本隆明

ひきこもれ―ひとりの時間をもつということ (だいわ文庫)
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ふつう、『ひきこもり』というと、
悪いイメージがあるかもしれない。暗いとか、何もしてないとか。

でも、この本で、吉本さんが言ってるのは逆で、
仕事でも人生でも、『ひきこもる』時間をもつことが、
なかなか価値のあることやねんぞ、ってこと。

ぼくにも、『ひきこもり』の性分が多分にあるから、
そんな主張をきいて、なかなか痛快だったし、
肩の荷がおりる気がしました。

『引き出し症候群』の社会って息苦しいんだよねー、と思ってるひとは、
ぼくの同年代にたくさんいるような気がするので、
この本を、もっと多くのひとが読めば、
生きやすくなるひとがふえそう。

それって、ある意味、省エネな生き方だと思います。

『引き出し症候群』なひとも、
『ひきこもり』たいひとも、
無駄なことにエネルギーをつかわずに、
自然体に、もっと楽しいことに没頭できるから。

じぶんの内側から聴こえてくる声に、
もっと正直に、もっと楽に、生きていきたい。

「この人が言っていることは奥が深いな」とか、「黙っているけれど存在感があるな」とか、そういう感じを与える人の中では、「意味」だけではく「価値」の増殖が起こっているのです。それは、一人でじっと自分と対話したことから生まれているはずです。

熟練した職業人になるためには、少しゆるんでいて、いい加減なところがあって、でも持続力だけはある、というのがいいのです。

「とにかく教師は生徒に向きあうべきだ」という考えには、子供を「指導」してやろうという、プロを自認する教師の、ある種思い上がった気持ちがあります。

そんなことをしなくても、毎日後ろ姿を見ているだけで、子供はいい先生を見抜きます。自分の好きな先生を見つけて、勝手に影響を受けていくのです。

問題は、親が子供にどう接するかではなく、親自身の心の状態がどうであるのか、ということなのです。

生まれた時代性というものは、なかなかぬぐい去ることができないし、まるで何もなかったように白紙に戻すようなことはしてはいけないのです。

人生論になるような人生『青春漂流』

青春漂流 (講談社文庫)
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立花隆さんが、この本の最初に、

本当の人生論は語るべき対象というよりは、実践すべき対象なのだ。自分の人生を語ることが、論を何も立てなくてとも、そっくりそのまま人生論になるような人生、そういう人生を目指している男たちを選んだつもりである。

と言っているように、
世間の主流からほど遠いところで、生きているひとたちの、
生き様が紹介されています。

家具職人や動物カメラマン、精肉職人、コックなど、
その道でやっていこうとすることは、
こういうことなんだよ、と、背中で語るような人達ばかり。

みんな、その道に、己の人生をかけていて、
自分自分にとてもつなく厳しくて、
全く妥協しない姿に、怖さすら感じました。

ぼくたちが、じぶんは世間から必要とされていないのかも、と不安になったとき、
この本を読めば、普通の世界とはちがう生き方もあるんだ、と、
勇気をもらえるかもしれないし、
逆に、こんな壮絶な生き方は自分には到底無理だと、
絶望感を強くするかもしれない。そんな強烈な本でした。

「謎の空白時代」が明らかになってみると、「船出」がやみくもの冒険ではなかったことがわかる。自分の人生を自分に賭けられるようになるまでには、それにふさわしい自分を作るために、自分を鍛え抜くプロセスが必要なのだ。

それは必ずしも将来の「船出」を前提としての、意識的行為ではない。自分が求めるものをどこまでも求めようとする強い意志が存在すれば、自然に自分で自分を鍛えていくものなのだ。

そしてまた、その求めんとする意志が充分に強ければ、やがて「船出」を決意する日がやってくる。そのとき、その「船出』を無謀な冒険とするか、それとも果敢な冒険とするかは、「謎の空白時代」の蓄積だけが決めることなのだ。

夫婦で世界一周旅行をするときのモデルになる『トモ&エリの607日間ハネムーン』

世界一周デート トモ&エリの607日間ハネムーン
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旦那さんは、それまで海外旅行なんて、
全然したことがなかったのに、
新婚旅行でいきなり世界一周旅行。大胆すぎる。

たぶん、特に度胸があったわけじゃなくて、
なんとなく大丈夫だろ、といったノリで、
出発したんでしょうねぇ。

旅に慣れていないひとの話なので、
同じく、旅経験の少ないぼくには、
とても参考になることが多かったです。

ぼくたち夫婦が、世界一周旅行にでかけるときの、
いいモデルをみつけることができました。

旅先で人をどこまで信用してよいか、というのは、
旅行者にとって永遠のテーマなのかもしれない。

食べ物が美味しい国はいい国だ、というのは私たちの持論だ。

これまで仲良くなった人とは必ず共通点がある。
それはみんな言葉を超えてコミュニケーションできるということだ。
私たちはポルトガル語がからっきしダメ、
ママはポルトガル語しか話せない。
それでも毎晩のように一緒に酒盛ができるのだから、不思議なことだ。

ボリビアが世界最貧国の国のひとつだといっても、
その国の一流の歯医者さんは、
日本の二流よりもきっとずっと上なのだということを知った。

危機感を自分のこととして受け止められるか『希望の国のエクソダス』

希望の国のエクソダス (文春文庫)
村上 龍
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村上龍さんの小説を初めて読みました。
なにか、社会派小説といった雰囲気ですね。

ぼくが惹かれたのは、小説のストーリーよりも、
小説を通してみられる、龍さんの洞察の鋭さ、でした。

舞台は、2002年前後の日本なんですが、
小説内で龍さんが(たぶん、危機感をもって)訴えていることは、
いまの2010年の日本にも、相変わらず当てはまっています。

”それ”は日本社会のよくみえる場所に現れていないだけで、
慢性的な病気のように、じわじわと、
進行してきたんじゃないだろうか、ということです。

もちろん、小説内で、おおげさに表現された”それ”のいくつかは、
いまの日本で実現されていないこともありました。

ただ、”それ”が当たっているとかいないとか、そんなことを議論することは、
ぼくにとっては意味のない話で、
この小説を、これからの自分や家族、子供のことを考える材料として、
きちんと消化していきたいです。

希望だけしかなかった頃とほとんど変わらない教育を
受けているという事実をどう考えればいいのだろうか

普通、学校というところはリスクを特定してくれて、
そのリスクを管理するための訓練とか勉強を行うんだと思うんですね。

それがない以上はそこを出て、
自分たちで何とか自分たちなりにリスクを特定しながら、
それを管理するようにしないと、あまりにも危険すぎるでしょう?

希望を失った国に対する最良のスタンスは、
略奪ということになるでしょう。

先端的な知識や情報や技術を自分が持っていないというのは
確かに明らかな不安材料だ。

それらが社会的に有用で、しかも自分には欠落していると
自ら認めざると得ないとき、決定的な遅れをとり
誰か他人に搾取されるのではないかという不安と恐怖が生まれる。

大前提的な庇護を失い、個人が個人として生きるようになるという概念を
まだ日本人は持つことができないでいるが、
共同体として個人の関係性だけはなし崩し的に変わりつつある。

誰かに何かをしてあげたい、
誰かに何かをしてあげることができる存在になりたいという思いが、
どれだけ普遍的で、切実なものなのかを
これから日本人は思い知るようになると思う。

そんなに難しいことじゃない『ライフログのすすめ』

ライフログのすすめ―人生の「すべて」をデジタルに記録する! (ハヤカワ新書juice)
ゴードン ベル ジム ゲメル
早川書房
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じぶんの生活を記録すること、
それを「ライフログ」と言います。

ライフログなんて、言い方をすると、
なんだか遠い世界のように聞こえるかもしれませんが、
実は、みんな気づかないうちにやってます。

例えば、子供の写真やビデオを撮ったり、
銀行やクレジットカードを利用したり、
インターネットをみたりするとき、
意識しなくても、デジタルに記録を残しています。
つまり、「ライフログ」ってことです。

そんな「ライフログ」を、
もっともっと、じぶんから積極的に集めて、
利用できるようにしちゃえば、
おもしろい社会になるんじゃないの、ってことを、
感じさせてくれる本です。

ぼくも、さっそく、スキャナーを購入して
ライフログの前座「ペーパーレス作戦」を、
実行にうつしています。
おもしろいよ。

生きている間に経験してきたすべての情報に
即座にアクセスできるとしたら、どうだろう。

一生分の出来事の記録データを
保存するのに必要なメモリーは、既に存在する。

ライフログは自分の人生の捉え方を変えてくれる。
同時に、自分の人生の感じ方も変わっていく。

健康管理の質を上げるには、質のよい情報が欠かせない。

たいていのものはデジタル化したほうが楽しめることがわかっている。
僕がデジタル化して電子記憶を楽しんでいる一方で、
ほとんどの人の実物の思い出の品は屋根裏部屋で埃をかぶっている。
実物を持っていても、そんなものさ。

新たなタイプの人間関係が、ライフログの導入から生まれる。

100倍の情報を持ち歩いていますか?『iPhone情報整理術』

iPhoneほど、持っているひと次第で、
可能性に大きな差がある携帯はないですね。

iPhoneと、そのアプリと、
他のインターネットのサービスを組み合わせることで、
iPhoneを持つ前と比べて、100倍もの情報を、
持ちあるくことができるようになります。

でも、100倍の情報を持ちあるくのが、
最終的な目的じゃなくて、
そうすることで、
仕事の方法や生活スタイルに、
変化を起こすのが楽しいんですよね。

そういう変化をワクワクできるひとには、
この本に、ただのライフハック集以上の価値を、
感じられると思いますよー。

  • 1000近い論文をいれる
  • ネットワークストレージは100GBを最初目指す
  • どんな大きなPDFでもiPhoneで読めるという確信を得る
  • アドレス帳の整理は大いなる先行投資

「ネット第一印象」を意識して、情報を発信していこう『ネットがあれば履歴書はいらない』

だれかが会社の面接にきたら、
まずインターネットでそのひとの名前を検索する。

仕事でだれかと初めて会うとき、
そのひとが過去にどんなことをしてきて、
どんな志向性をもっているのか知るために、
ブログやTwitterに目をとおしてみる。

そんな方法が、これからの社会では、
当たり前になってくるだろうし、
ぼくも、初対面のひとと会うとき、そうしています。

そんな社会では、インターネットで、
「自分の名前」が検索されたときに見つかる情報が、
とても大事になってきます。

もうちょっと具体的にいうと、
Googleで「自分の名前」を検索して、
上位10個にどんな情報が表示されるか、
それを意識していく必要があるんでしょう。

ひとと会うとき、
第一印象が大事だと言われていますが、
それはインターネットでも同じ。

どんな「ネット第一印象」をもってほしいのか、
それを意識的して情報を発信していく。

個人で生きていこうとしているひとには、
参考になることが、本書にはたくさんあると思います。

みんな中世のギルドのような世界で
職人として一章を終えていくことを考え、
そのなかで一職人として堅実かつ楽しく生き抜いていくために、
自分に何ができるのかを考え専門性を高め、
その技術を多くの人に利用してもらえるよう
アピールする必要があるということだ。

3人で仕事をしているなら読んで損はない『小さなチーム、大きな仕事』 @37signals

Jason Fried SXSWi 2008 37 Signals
Attribution License by deneyterrio

小さいチームでも大きな仕事ができる、
そうじゃないんです。
小さいチームだからこそ、大きな仕事ができるんです。

この2つは、似ているようで、
とっても大きな違いがあるように感じました。

たった3人でも、世界を相手にして、
ちゃんと儲ける仕事ができるんだよ、と、
みんなにエールを送ってくれる本です。

小さな企業はもっと大きければと願っているのに、
大企業は身軽で柔軟であることを夢見ていることに
気がついているだろうか?

大きな仕事をするには、他と違ったことをしているという感覚が必要だ。
世界にささやかに貢献している、という感覚だ。

競争相手を打ち負かすには、なにごとも
相手よりも「少なく」しかないのだ。

かっこよさはすり減っていく。役に立つかどうかはすり減ることがない。

人々を舞台裏に導くと新しい関係が生まれる。

文化とは行動であり、言葉ではない。

小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)
ジェイソン フリード デイヴィッド・ハイネマイヤー ハンソン
早川書房
売り上げランキング: 180

読了『受けてみたフィンランドの教育 実川真由 実川元子』

Kirkonkylä elementary school
Attribution-NonCommercial-NoDerivs License by MikeAncient

これまで、フィンランドと言えば、
教育に力を入れている国なんだろうなぁ、と、
なんとなくのイメージしかなかったのですが、
日本とは、なんだか、えらい違いますね。
考え方も、方法も。

日本でもマネすればいいんじゃないのー、と思ったこと。

  • 減点方式じゃなくて、加点方式
  • 塾じゃなくて、学校でほんまに勉強する
  • 地元の学校をえらぶこと
  • 暗記問題をやめて、考えて、じぶんの意見を書くテスト
  • 先生をもっと尊敬している雰囲気

じぶんが知っている常識じゃない、常識を、
知ることでアイデアがふくらみます。

世界中を探せば、もっともっとおもしろい、
教育の方法や考え方があるんでしょうね。

日本の進学校の生徒たちが、
授業中居眠りをして、放課後塾に行き、
居眠りしていた間に教わっていたことを勉強する様を目の当たりにして、
「これほど無意味なことはない」と思ったそうだ。

英語を含む多言語を学ぶことが
「生き抜くために必要なのだ」という認識は、
日本とは比較にならないほど強い。

なぜ20代前半までになんらかの学位を取得して就職しなくては
「負け犬」と呼ばれてしまうのかが自分でもよくわからなかった。

職業経験や人生経験を積んでいくことが、
就職するにあたってのプラスになる社会と、反対にマイナスになる社会。

仕事につくという目的地、
もしくは学校から社会に出る出口まで到達するまでの時間制限が
さほど短くない社会と、厳しく時間を区切る社会のちがいは、
教育の過程においても大きな違いを生んでいる。

受けてみたフィンランドの教育
実川 真由 実川 元子
文藝春秋
売り上げランキング: 23640

読了『いつか、すべての子供たちに Wendy Kopp』

White House Entourage
Attribution License by jurvetson

大学の優秀な卒業生が、
ちやほやされるような就職先をけって、
教師の免許もないのに、
貧しい地域で、2年間教師として働きにでかける。
そんな信じられないような話を、
アメリカ中で実現させちゃったのが「ティーチ・フォー・アメリカ」。

すごいんですよ。
本からあふれてくる、教育に対する情熱が。

そんでもって、主人公のWendy Koppの行動ぶり、
ジェットコースターにのっているがごとく、
毎日つなわたりをしているような展開に、
ただただ圧倒されました。

何万人ものひとたちを、
じぶんたちのビジョンにまきこんでいくためには、
こんな凄まじい行動力が必要なんですね。

集められる金額は、どれだけ力を注いだかに比例するのであって、
支援者の金銭的な余力や優先順位によって決まるのではない。

よい指導とはカリスマ性の問題ではないと気づいた。
魔法のようなものでも、説明のつかないようなものでもない。

傑出した教師たちは、生徒に対して明確な目標を設定し、
人々を目標に向かって努力するよう動機付け、
目標を達成するためひたむきに努力し、
指導の効果を常にチェックして実績をあげていく。

要するに、よい教師とは、よいリーダーなのだ。

いつか、すべての子供たちに――「ティーチ・フォー・アメリカ」とそこで私が学んだこと
ウェンディ コップ Wendy Kopp
英治出版
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