キノシタケ
鎌倉に移住した夫+妻+娘のブログ

Seeing is believing – 悲観していたよりも平和で、楽観していたよりも悲惨だった。

一度は、自分の目で、津波の被災地を見なければ、という思いをずっと持っていましたが、ちょうど福島を支援するプロジェクトに関われることになった為、映像スタッフとして福島へ現地入りしてきました。

初日は東北自動車道を北進し、福島市内へ。途中の高速道路では整備されたと思われる箇所がいくつも見られたけれど、ほとんど問題なく走れる。交通量もかなり戻っているように思えました。

このビデオは福島駅前からiPhoneで撮影したものです。天気がよかったせいもあるんでしょうが、テレビやネットニュースから想像していた福島のイメージよりも、ずっと穏やかで、人通りも交通量もある。一見そこには普通の生活があり、たくさんの人が生活しているのだという、当たり前のことを再認識させられました。そら当たり前でしょう、と口に出すのは簡単ですが、現地を訪れるとそれなりの実感があります。

福島と一口に言っても、福島は広い。原発や津波の影響がないエリアのほうが広大なのに、福島という単語でまとめられてしまうと、風評被害になる。じぶんの頭のイメージの中にも、風評被害を引き起こす心理的なものが、既にあったんだと気づきました。

2日目は、福島市からまっすぐ東へすすみ、相馬市へ。事前にiPhoneで相馬市の場所を地図で確認してみると、相馬市は随分と海よりの所にある。


大きな地図で見る

この位置だと津波の被害が相当ひどいのだろうと想像していましたが、相馬市中心に入っても被害の後はない。2ヶ月が経って復旧・撤去作業がすすんだのでしょうが、建物の崩れているところも特に見かけない。地図を眺めているだけでは震災被害地の距離感は分からない。

公立相馬総合病院と保健センターを訪れた後、少しだけ時間があったので、ドライバーの方へ頼んで、海沿いへ向かって走ってもらいました。すると景色が急に変わってくる。ほんの少し低地へ行くだけで、船が道路の上に横たわっていたり、家という家ががごっそりなくなっていたりと、海岸線をずっと戦場のような状態が続いている。

目の前にある景色をどう受け止めていいのか分からず、混乱し、涙が出そうになりました。ドライバーの方は、毎年このあたりを母親を遊びに来ていたと仰っていた。僕には彼にかける言葉もない。。

今週末、今度はいわき市へ向かう予定です。

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