NPOがTwitterやFacebookといったソーシャルメディアをつかって、情報発信していくときの課題をシェアする勉強会「第12回ネットスクエアード東京 ミートアップ」に参加してきました。
講師は、「現代ビジネス」で「ソーシャルビジネス最前線」を執筆されている市川裕康さん(@SocialCompany)と、日本財団の運営するコミュニティ「CANPAN」事務局の山田泰久さん(@canpan2009)。
以下、気になったトピックです。
山田さん曰く、良いNPOは良い活動と良い情報発信がセットになっている、と。自分たちが取り組んでいることを世の中に発信していくことが、活動自体に組み込まれている。
しかも、ウェブサイトやブログ、Twitterで日々の活動を情報発信するだけではなく、NPOが取り組んでいる課題に対してちゃんと調査し、統計を集め、白書や書籍にまとめる。それによって、さらに活動を力強いものにできる。
この例としては、フローレンスの駒崎弘樹さんや、ライフネット生命の岩瀬大輔さんなどが挙げられます。彼らは本を出版することで、普段の活動では届けることのできない層のひとたちに、問題提起することに成功しているのではないでしょうか。
NPOの情報共有パターンには大きく2通りがある。
1つは、内部で情報をシェアし、それから、外部に情報を公開していくパターン。
もう1つは、NPOの代表や事務局長がブログやTwitterを使って外部に情報を公開し、オープンになった情報を後からスタッフが手に入れるパターン。
どちらのパターンが自分たちとの組織に向いているか判断してから、ソーシャルメディアの導入や組織内で情報をシェアできる仕組みを考える。
NPOの代表が1人で100人に伝えるよりも、スタッフや学生ボランティアなど複数の力を合わせて100人に伝えたほうがインパクトがあるのでは、と。
代表クラスの場合、確かに、人脈が広く情報発信力に優れていますが、複数のメンバーで情報を発信していくほうが多様なネットワークに届き、かえって思いもしなかった広がりが得られるかもしれません。
公式アカウントか個人アカウントか、NPOはどちらで情報発信していけばいいのか、という話の時に出たキーワード。
公式アカウントをサッカーの司令塔、他のスタッフが残りのチームメイトだと捉えて、みんなでパスを回しながら情報を届けようという考え方です。
まぁ、答えの一つでしょうが、面白い。スペインサッカーのように速く、美しいパス回しで勝負ですね。
ソーシャルメディアを使って、即時性のある情報を伝えていくことも大切ですが、過去の情報をきちんと整理と、保存して、蓄積していくことによって、その団体の信頼アップにつながっていく。
案外、この点が疎かになっているNPOが多いような気がします。古い活動情報が参照できなくないウェブサイトって多くないですか?この点は、Wordpressに代表されるような更新・保存のしやすいツールを使って、団体のウェブサイトを構築しておくことで解決できるんじゃないかと思います。
質疑応答の時、一緒に参加していた@CancerNetJapanの柳澤さんが、次のような感想を言ってました。
この点はすごく同意できますし、ぼく自身、ソーシャルメディアを好きで使っているようなところがあるので反省するところでもあります。
以前に参加したNPOの勉強会でも、イケダハヤトさん(@IHayato)が、達成したい目標があり、そのためにソーシャルメディアを活用するのはいいが、流行っているとか、単に注目を集めたいだけといった理由でソーシャルメディアを導入しても上手くいかない、と言っていました。
情報発信ばかりに気をとられて、本末転倒にならないよう、いつも「何のために?」を自問していこうと改めて思いました。
ピンバック: NetSquared Tokyo » 第12回 ネットスクエアード東京meetup 開催レポート
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