僕は個人的にあえて仏滅に結婚式をあげるようなタイプの人々を好んでいる。「仏滅だろうが何だろうが俺たちはうまくいくんだ」をいう信念があれば何だってうまくいくはずだ―という気がする(村上春樹/安西水丸著『村上朝日堂』194頁)

僕は小学校ぐらいの頃のある日、近所の駐車場のナンバーに4がないことに気が付いた。きっと工事現場のおっちゃんが数字を入れ忘れたんだな。まったく。純粋にそう思った。

両親に理由を聞いてみて、4は縁起が悪いからなんだよと聞いて愕然としてしまった。大の大人が縁起を信じて駐車場に欠番を作るなんて!幼い自分には どうしても信じられなかった。それじゃあ、僕の誕生日は縁起の悪い数字ばかりじゃないか。ふざけんな。大きくなっても縁起なんてもんを信じる大人にはなっ てやるもんか。強く心に誓った。

だから、結婚式の日にわざわざ仏滅を避けるようなことをしないつもりだし、駐車場や車のナンバーだって4がついていても構わない。むしろ縁起の悪い数字を避けてくれる人がいることで、僕が選ぶ数字は競争率が少なそうでよかったと感謝しているぐらいである。

縁起をかつぐかつがないなんて他人があれこれ言う筋合いはないのは承知だけど、個人的には村上さんの意見に深く同意してしまった。